私ごとですが、クリニックオープン前のこの時期に右眼網膜剥離になり入院、手術となってしまいました…。もちろん、生命に関わる問題ではありませんし、開院も予定通り行えそうですが…、ただ、入院中の絶対安静、退院後も安静とのこと。当然お風呂も洗髪も、洗顔も禁止となりました。それまで当然のように毎日お風呂に入り、体を洗い、洗髪洗顔していたものがある日突然できなくなる…。入院中は大変不便な思いをしました。とにかく頭が痒く、全身不潔…。
よく言われることですが、非日常の状態に置かれて初めて日常のありがたみがよくわかります。今回の入院でつくづく、しみじみ思いました。ましてや痛みや苦しみ、不安を伴った入院をされる方はほんとうに大変な思いをされていることでしょう。根本的な人間の営みを奪われる恐怖や実際奪われることになるということは、おそらく筆舌に尽くし難い苦難であることでしょう。
退院前日に、入院後初めての洗髪を病院スタッフの方していただきました。今回の入院でいちばん嬉しかった瞬間でした。髪の毛を洗う、たったひとつのことがどれほどありがたいことか…、ほんとうにすばらしく思いました。
ふだん医療の側に立つ人間として忘れかけていたものを患者の側に立つことで改めて思い返し、今後に活かしていきたいと思いました。