決断するということ

普段の何気ない生活の中でも決断することは繰り返されていると思います。ファミレスでどのメニューにするか、いつお風呂にはいるか、などの簡単なものから、結婚や転職などの重大な決断にいたるまで・・・。
決断することに躊躇ないかたもいるとは思いますが、私は優柔不断でなかなか決断できません。開業を決断する時も、かなり時間を要しました。今は新しいクリニックに採用する医療機器を選定するのに苦労しています・・・。
どうして自分はこんなにも決断できないのか・・・、それを何度も考えました。何度も決断できない自分がイヤになることもありました。でも、きっと決断できないのは単純な理由であって、それはこれから決断する選択肢について単に「経験したことがない」からだと思います。でも経験したことがないことでもすぐに決断できる例外はあって、それは明らかにその選択肢が楽しかったり、メリットがあるとわかりきったこと、、たとえば「1億円あげますが、受け取りますか?」とか、「海外旅行を無料でプレゼントしますが行きますか?」など、、、これならどなたでもまずすぐに決断すると思います(それでも疑い深くってすぐに決断できない人もいるかもしれませんが(笑)。
医療機器で言えばAED(自動体外除細動器)は必須なので決断の余地はありませんでした。心電図、レントゲンも然り・・・。
血算機(感染症や貧血、炎症などの程度や診断に用いる血液検査の機械)も自分の診療スタイルから考えると必須でしたので導入はすぐに決断できました。最後まで悩んだのは、、、上部消化管内視鏡(胃カメラ)と自動釣り銭機(セミセルフレジ:コンビニやスーパーの支払いなどでお客さんが自分で現金を投入、おつりを受け取る機械)です。どちらもどの様な機械かはよく知っており使用経験もあったのでそう言う意味では「経験はあった」のですが、それを自分のクリニックに導入したらどのようにメリットがあるのか、、、そこが「経験がない」ので決断できませんでした。上部消化管内視鏡は今決断しなくても開業後地域のニーズを探りながらあとから導入するという決断をしましたが、自動釣り銭機は本当に悩みました。シロかクロか、メリット・デメリットが明らかにわかるものであれば経験がなくても簡単に決断できるのですが、グレーなものはなかなか決断できませんね。そんなときは先の上部消化管内視鏡のようにいったん様子をみるが正解なのかもしれません。自動釣り銭機も様子をみるでも良かったのですが、でも導入することでスタッフの手間を省いたり、トラブルを回避できたり、、自分に対して明らかなメリットがなかったとしても周囲の人にメリットがある、あるいは周囲の人のデメリットにならない、そんな保険的な意味合いがあるのなら決断する、、、そんな決断もあるのだと学んだ今日一日でした。


~決断できないときは、いったん様子をみるかあるいは周囲の人のメリットになるなら決断する~